2012年7月 |
16日(月) しばらくご無沙汰したあとに更新されるときは、決まって家になにかが起こったとき、だとは限らないんだぜ! というわけで実際なにかは1週間くらいまえに起こって現在も続行中ですが、そんなことよりBBC製作ドラマ「シャーロック」がNHKBSプレミアムで再放送されたので浮上してきたわけです。去年、母がNHKでの放送に行き当たって「おもしろかったよー」「評判いいみたいよー」「俳優さんがマーシャルとかブーリン家とかのあの人なんだよね……」「ちょっとすごいところで終わったっていうか続いたよー!」というのを、どうせ見られなかったしそのうち再放送をやるよねと思いつづけてずいぶん経った。今年は「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化で、ポール・マーシャルでもメアリー・ブーリンの元旦那でもないベネディクト・カンバーバッチも体験した。「シャーロック」DVDもすでに家に届き、各エピソード2回ずつ観た。けど、今夜の再放送だって当然鑑賞です。 字幕は耳が不自由な人用のものが出せるみたいで、ちょっと一般の字幕とちがった配慮があっておもしろかったです。というかどこでも言われてるみたいですが、どうしてDVDに英語字幕がないのだ。スクリプトも第2話のしか公開されてないみたいですねー。とりあえず、日本語字幕を頼りにせりふを補完。あと原作再読(一部未読)してます。完訳版買おうと思ってたのに、表紙に負けて新潮社文庫の買っちゃった……けど、オミットされた短篇はあとで一冊にまとめてるっぽいですね。あとiBooksでDLできるだけの分をDL済だい。 6月末から、気になる映画公開ラッシュなんですけど、まだ7月はいってから一本も行っていないです。ウィ・ニード・トゥ・トーク・アバウト・ティルダさん出演作の公開館がいつも県外。というわけで映画に関してはちょっとフットワークが重たいんですけど(だって道中、家から駅までの道のりが暑いんですもの)、そのかわりにひさしぶりに読書がおいしかったりで、これはうれしい感覚。 結局自分はしゃべり足りないのだと思うので、マメに更新しますよ。 19日(木) 保険に入ろうかと思いたったので、資料請求してみた。そして『MASTERキートン』の第1巻をひっぱりだしてみた。 賭博は今日、遊戯として発展し、一方ではビジネスになった。一定期間内に、加入者が死ぬか死なないかに金を賭け合うビジネス……すなわち生命保険です。(「迷宮の男」より) うむ。しかもこれ、保険会社の「勝ち逃げ」が圧倒的多数なのに、加入者側も「生きのびたんだから勝ち」ってところがあって、よく出来ておる。 さて昨夜でシャーロックの再放送が終わりました。第2話は観られなかったけど第3話はがっつり。22日の第2シリーズ放送までわきわきして待ちます。字幕はあれ、吹替え版のスクリプトってことでいいのかな。字幕版ではわからなかったところがあったりして有意義でしたが、でも weak arches を「土踏まずが弱い」というのは誤訳ではないのか……。DVDの字幕では「偏平足だ」。へんぺいそく、を声できくとわかりにくいという配慮だろうか。でもつちふまずがよわいって、なにさ……。土踏まずが浅い、ならなんとなくわかる。 ところで「私立探偵」が「プライベート・ディテクティブ」だと知ったときに、とうぜん「探偵」にあたる語が「ディテクティブ」だと思っていたんですが、後年映画やらなんやらで「ディテクティブ」と呼びかけられてる人物が警官で、字幕ではたいてい「警部」とでるので、警察内部の階級を指すのがもとなのかと思いを新たにしたわけです。そのうえで、私的に警部みたいなことやってるから「プライベート・ディテクティヴ」で、転じて日本語では「私立探偵」ってことか。……ん、これ日本語がおかしいのかな。私立探偵もなにも、探偵はみんな私立探偵じゃねえの。ともかくも新潮社文庫のシャーロック・ホームズシリーズで、とある警察の人物が「警部」だったり次に出たときは「探偵」だったり、そのあとまた「警部」に戻ったりしちゃってるのを読んで、ああ自分と同じかんちがいを……と思う。こういうのって下訳の時点でのうっかりさんがそのまま通っちゃったんですかね。 私立探偵といえば、「プライベート・アイ」という言い方もありました。吉住渉『ハンサムな彼女』の劇中作「プライベート藍 」がそこにひっかけてあるのを知ったのはちょっとあとだったよ。大沢在昌の「アルバイト探偵(アイ)」シリーズもあるし、『魔人探偵脳噛ネウロ』はPrivate Evil Eye だし。ああ、ジャンプに松井優征が連載をはじめたことはよろこばしいです。これで葦原大介がもどってきたら毎週買う。で、この話がどこにむかうかといえば、平賀・キートン・太一は保険の調査員と書いて「調査員(オプ)」と読み、「つまり探偵さん?」とくくりあげられてることもあるけどオプってなんぞやと思っていたら、「調査員 オプ」で検索すると同じこと疑問に思ってるひとがいたよ。ひとまず資料を読んでみるかなー。 23日(月) 須賀しのぶ『永遠の曠野』を日をまたいで読了→職場のみんなと毎年恒例BBQ→帰宅後22時から「シャーロック」第2シリーズ第1話鑑賞、で、けさは朝から眠たい。そしてあいまあいまに新潮社文庫版のホームズシリーズも読んでいって、さっき最後の短編集である「事件簿」にとりかかったところです。 とりかかるといえば部屋を夏仕様に整理整頓したい、けどめんどうくさい、ということでいつまでクローゼットのなかにフリースをぶらさげとくつもりかなあ自分は。あとクローゼット以外、つまり通常目にするへやのなか、も、いまちょっとあちこち飽和中。「買う」と「捨てる」は同ベクトルであっても結局は行動を伴わないと「買う」が「たまる」になってしまうわけで、この消費傾向をはやく健常なサイクルに乗せなくては……。 26日(木) 夏の模様替えがしたいなあ。具体的には段ボールを用意して引き出しのなかみをそのなかに詰め込んで積み上げてなにかあたらしい家具を買うまで数ヶ月そのまま放置される、そんな夏の模様替えになるであろう。と、思う。てぶケロたちを収納するために天井からハンモック吊りたい。なんかてきとうなものが見当たらないのですが、検索するとぬいぐるみ収納のために自作してるひともいて、うーん……布じゃなくて網がいい……ホームセンターにでも行ってみるか。なんつってこのまま数ヶ月過ぎる。と、思う。 きょうはむっしむし暑くて、こと日中のわが部屋は「38℃あったよ」と母に報告を受けました。 最近、仕事で「リソースが足りない」というその意味をぎりぎりと噛みしめています。まあつまり人が足りないわけなんですけど、最初この言い回しをきいたときは「リソースっつうか人材っていえばよくね?」と思ってたんですけど、なんだ、リソースなわけで、ほんとに。足りない、足りないいいいい。ぎりぎり。何で読んだんだったか、スパイもので「資産」とかいて「アセット」と読ませているものがありましたが(現地の資産と接触する、とか使う)、ほんと「資源」なんだよなああ人って、と、つくづく。 たぶんドン・ウィンズロゥの『サトリ』で読んだと思うんですけど。『犬の力』を読んでうおおおおおとなって、『サトリ』を読んだらきょとーんとしてしまったのですけど、どっちが作者のほんとうの力なのですか! ちなみに『犬の力』の音読がどういうわけか食器用洗剤の「泡のチカラ」のCM風に流れます。いぬのちっから♪って感じに。どうでもいいこと書いてすみませんが。うおおおおおと読んでるあいだも、ふとタイトルを思いだすと「いぬのちっから♪」だったので真剣に謎です。『サトリ』はレオナルド・ディカプリオ主演で2013年のクランクインを目指しているそうですが、それより『犬の力』は映像化しないですかね。長すぎるか。 『サトリ』のまえにもう1作映画化が控えているそうなんですが、その原題が " Savages " とのことなので、そういえば数年ほったらかしにしている疑問。萩尾望都『残酷な神が支配する』はイエイツの詩の一節であることが作中の引用でわかりますが、この漫画のタイトルに添えられた英題は After us the Savage God です。とりあえず Savage God が「残酷な神」としても、after us の処理がふしぎなの。で、これは after に " 支配 " の意味があるのかな、と思ってそのまま放置してたんですが、単純に日本語訳が直訳ではないってことなのかもしれない。いま検索したら原文での一節(なのか全文なのかも不明だ)は発見できましたが、偉大なる先人たちのあとで自分らになにができよう? みたいな気がする。ううん? そんなんしてたら日付こえてしまったので、寝ます。 27日(金) はい、昨夜の宿題。After us the Savage God. ちなみに『残酷な神が支配する』小学館プチフラワーコミックス第1巻のカバー折り返しに、作者から引用もとがあきらかにされているそうです。なので以下はそれを知らぬ自分の遠回り。そしてゴールにいまだ到達せず。 ふとんに入りながらとりあえずiBooks でダウンロードできるイエイツの著作を検索しましたが、ん、あれ、なんて本のどんな詩なわけ……? で、カテゴリ「詩」をいくつかDLして after で検索かけてもヒットなし、いくつか試しましたが、まあもう寝ようと。つづきは本日の通勤時間。 after us the savage god yeats を検索かけたら、いろんな人の著名な引用を集めているらしいページが出ましたよ。で、なぜかいまPCからやると出典明記がないんですが、iPhoneからだときちんと出てるページがヒットして、 " The Trembling of the Veil ", bk.4,sect.20 とのこと。で、つぎはこのタイトルを検索したら、英語の青空文庫みたいな Project Gutenberg で公開されてたのがヒット。てか、いまみたらこのプロジェクト・グーテンベルクってすごいのね、1971年創始って。そしてどうも詩ではないらしい。エッセイかなにか? bk.4,sect.20 を頼りに BOOK W のXX までずーっと飛ばしていって、After us の箇所を探したら、その章の、というか巻の〆だった。 ひとまず意味はおいといて、The Trembling of the Veil はなんぞやと調べたら英語Wikiで自伝と判明。そして日本語Wikiをみるかぎり、邦訳なし。あらためてその一節を見てみてると「偉大なる先人たちのあとで何ができよう?」と嘆いたあとの〆なんですよね、After us the Savage God. とりあえずその文だけ受けとめると、「われらののちには野蛮な神」って感じになる。気がする。 ひとまずここらあたりのことを母にメールして、「じゃあご自分で訳したのかな? それともなにかの引用?」ってところで仕事にはいったら、昼休みには返信というか答えがきてた。「少女漫画ラボラトリー」内「萩尾望都研究室」のなかで、アルヴァレズ著『自殺の研究』に引用されているという情報があったから、その訳者・早乙女忠が「残酷な神が支配する」と訳しているのではないか、とのこと。自殺の研究とはずいぶんな題名ですが、たしかに The Savage God : A Study of Suicide ってのがちらほら検索結果に出てきてました。Study of といえば緋色の研究だなあ、と日曜日の「シャーロック」放送に思いを馳せる。 と、いうわけで現在は県立図書館に『自殺の研究』(新潮選書、1974年)のリクエストをだして、あと、あのもう、すみません、英文学(詩)の概説本かなにか、いいのないですかねっていうところでございます。素養がまったくないので、イエイツといえば「リベリオン」でパートリッジ@ショーン・ビーンが読んでた詩集だし、ブレイクといえば「レッド・ドラゴン」で役名忘れた@レイフ・ファインズがもしゃもしゃ食ったやつだし、キーツといえばベン・ウィショーだしって、そういう理解のしかたで、さらにいうとそのイエイツとブレイクとキーツと、あとワーズワースが自分のなかでひとかたまり感をかもしている。作品知らないのに。 あ、あと青空文庫で公開されてるイエイツ、芥川訳だったのでわお!となりました。そしてそもそもよく見ると、iBooks のデータの提供元が Project Gutenberg じゃないか自分よ……。というわけで、いろいろ楽しい一日だったのです。 28日(土) シャーロック・ホームズシリーズ、新潮文庫版ののこりの一冊(紙面の関係から各短篇集で割愛されていたものをまとめた)「叡智」を買いました。さらにもう1冊、柴田元幸訳のサリンジャー『ナイン・ストーリーズ』(ヴィレッジブックス)が文庫になっていたので、思わずそちらもいっしょにレジへ。 2009年の単行本も本屋でみた瞬間その佇まいに「!」って感じで買ったものなんですが、文庫サイズの愛おしさは「!!!」と感動がひとしお。で、この九つの物語を、自分は柴田訳では読破していないのである。「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」と「テディ」がまだです。文庫のほうで初読みになるかもしれないけど、でもまだ読まないんだー。大事にとっておくんだー。ひとまず文庫では「笑い男」を再読しました。いま文庫の帯を外してみたらもうこの本ほんっとにすばらしい佇まいですよ食べちゃいたい。 いま3冊くらい文庫が「読みかけ」でほってあるんですが、案外これは悪くないというか、いざというとき「食べる」ものに不自由しない安心感があるというか、いいですねえ。 29日(日) 父の介護カレンダー・最新版。 月曜日:訪問介護による入浴介助。 火曜日:施設A(お気に入り)デイサービス。帰宅後、ヘルパーによる食事介助と口腔ケア。最近のかれにとって「食べる」とは「食べものを口におしこんで咀嚼してその状態のまま口腔に溜めこむ」ことと化している。嚥下しろ。 水曜日:ひきつづき施設Aデイサービス。帰宅後、ヘルパーさん。 木曜日:夢のような3日連続施設Aデイサービス。帰宅後、ヘルパーさん。 金曜日:訪問リハビリ。午後からのリハビリのみだと、夢の3日間でお出かけモードになっている父を母が制することが出来なくなってきたので、今週から午前中に訪問介護の入浴介助を追加。 土曜日:現在のところ魔の曜日。介護予定はない。自分や兄がそろって出勤の日だと、VS母ひとりになるのでつらい。 日曜日:施設B(いまのところ気に食わない)のデイサービス。本日で4回連続送り出しに成功。施設B行きを拒否しても施設Aに行けるわけではないことを学習したのかもしれないし、施設Bの職員さんで気心が知れた人ができたのかもしれないし、分からないけれども、習慣になってくれたらものすごい楽なので、来週もがんばろう。 そんなわけで本日は母と「ダークナイト ライジング」を鑑賞に行けました! どうしてもこの題名は「ハンニバル ライジング」を想起させるので間が抜けている、気がする。我が家ではもっぱら原題どおりに「ライゼズ」と呼び習わしています。ビギンズ、ダークナイト、ライゼズ。キリアン・マーフィーが地道に皆勤賞。 そしてそして、夜はBBC「シャーロック」、シリーズ2、エピソード2、バスカヴィルですよ! ああおもしろかった、しあわせ。原作読んだのはけっこう最近で2009年のこと、だと記憶しているんですが、ただこれは「ジェヴォーダンの獣」VHSを中古で買ったのがこの年だと覚えているので、そもそも「バスカヴィルの犬」を読むきっかけになったのが果たして「ジェヴォーダン」との再会だったか、吉野朔実劇場だったか、両方同時だったか、それにしたってたぶんその頃だろうなということで。 |
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