2017年7月〜10月



*体調について(2018/3/13)
まるでなにかのフラグのように、血液検査の結果をききにいくぜ!と記したまま更新がストップしていたのである

●どうやら不調箇所が特定できたけど、症状(びみょうな発熱)とはマッチしない
検査の結果、甲状腺の機能低下が数値で確認できましたが、熱がでるとしたら機能亢進のほうだからどうも関係ないね、という所見でした。で、発熱はともかく、甲状腺のほうは治療が必要な数値ということで、現在はいちばん量の少ない薬を服用し、数値を正常範囲内に保っています。発熱はその後もだらだら続いていますが、これはもう、なんか、たぶん、単純に、「以前より格段に発熱しやすくなった」のだと思うほかありませぬ。2018年3月現在に至るまで自分のかつての「平熱」は失われたままですが、去年の夏ごろとくらべると発熱の上限が低くなってきているので、規則正しい睡眠と食事そして散歩程度の運動、を継続的に処方するしかないんでないの。しかし、それはけっこうおっくうなことである。よって、ぜんぜん思うように継続できておらぬ。熱がびみょうなりに高ければそれなりにしんどい感じにもなりますので、長い目でみれば己を律する労力をはらうほうがいいのだろうなあと思うのですが、易きに流れ流れて流されて、といったところ。

ちなみにそんな状況でも、月に数回は観劇とかに出ているので、けっこう充実しているのです。


*2017年7月12日以降を10月まで箇条書き

●7/14(金)NINAGAWAマクベス観劇
蜷川幸雄一周忌追悼公演。2016年12月にTV放映された、1985年の平幹二朗/栗原小巻版を鑑賞済。そのふたりに比べ今回の市村正親/田中祐子によるマクベス夫妻は、なんかとてもかわいらしいというか、ずいぶんラブラブだな、これは演じる俳優に対して自分がイメージしているキャラクターのせいかなと思ったら、観賞後に読んだプログラムに「あ、その受けとりかたでよかったんだ」となる市村さんのことばがあったので、ちょっと嬉しかった。それによれば、2015年の時点ですでに市村/田中のマクベス夫妻はラブラブだったようです。以下引用。
(前略)お客様から僕と田中祐子さんが演じるマクベス夫妻は「あんなに愛し合っているマクベス夫妻は初めて見た」と言ってもらえた。(中略)祐子さんとも「もっともっと愛し合う二人にしよう」と話しています。
たぶんマクベス夫人は「悪妻」のバリエーションとして認識されることが多いのだろうけど、原作の戯曲を読むまえに松岡和子『深読みシェイクスピア』(新潮文庫、2016年5月)で『マクベス』における we の使われかたについてを読んでいたし、映像作品ではマイケル・ファスベンダー/マリオン・コティアール出演の映画「マクベス」(2015年、日本公開2016年)も観ていたので、「愛し合うマクベス夫妻」というのが自分のなかでスタンダードとなりそうです。シェイクスピア作品については2014年からナショナル・シアター・ライブで観る機会があって、とにかく二次元の「戯曲」を読むまえに、三次元の「演劇」になったものを観たほうがむっちゃくちゃわかりやすいし、なによりべらぼうにおもしろい、ということを学びました。

ちなみにいまこれを書くために確認したら、公式サイトのページタイトルは「NINAGWAマクベス」(スペースなし)だけど、公式プロモーション動画のタイトルは「NINAGAWA マクベス」(スペースあり)で、サイト上の文言とかロゴとか公式Twitterとかでは「NINAGWA・マクベス」(中黒あり)だな。なおプログラムで英語が併記されている箇所によれば英語での表記は "NINAGAWA Macbeth" です。


●7/20(木)劇団四季「オペラ座の怪人」鑑賞
初の劇団四季であり、初の日本語でのオペラ座。おおお、25周年記念コンサート版となにもかもほとんど同じじゃないか……! という感動。ファントムの声のみ、ちょっとだけ「うう、そうじゃない…」感がありましたが、あくまで個人の好みの話で、全体としてはまるまると満足。
そして初神奈川芸術劇場(KAAT)、鑑賞まえに頭痛がしてて、はじめて見る店名のドラッグストアで鎮痛剤を買いました。というか、どれが店名か分からぬ横文字っぷりであった。


●7/28(金)「ビューティフル」鑑賞
帝国劇場の男子トイレに列が出来ていようとは。
中川くんが(ほとんど)歌わない、そしてソニンちゃんがめっちゃかわいい。
この作品については母の感想で言い尽くされております。


●7/29(土)オフ会
いつもありがとうございます。この日は三井記念美術館にて特別展「地獄絵ワンダーランド」をごいっしょしました。「六道」は「りくどう」ではなくて「ろくどう」と読む、そんな発見を教えてもらいました。たしかに手元にある小学館の『例文 仏教語大辞典』(1997年第1版第1刷)でみたら、「六道」は「りくどう」ではなくて「ろくどう」でした。えええ。なんか、たしか、世界史だかの教科書に載っていたイメージで、「六道」の読みは「りくどう」、だと思っていたんですけど。実際にそういうふりがなをふった活字を目にする授業を受けたのか、そうではなく教師の雑談でだったのか、はたまた学校以外で仕入れた知識だったのか。


●8月、外は暑いし熱は高い
体調についてでさっくりまとめましたが、7月に血液検査の結果、甲状腺がなんかよくない数値だねえとなり、専門の科があるところできちんと検査をするようにとのことで、その新しい病院に通いはじめたのが8月です。病院行くのに外歩いてたら熱中症で倒れるわ!とか、外気温が高すぎるから体温があがってんじゃねーの、とかやさぐれていた時期。通院以外ひたすら寝ていたおぼえがありますが、当時のメモを参照するとけっこう外出している。しかし映画はかなりの数行きそびれてる。この時期だとジョジョとか、「ワンダーウーマン」とか。


●とある日の夕方、めっちゃきれいに出た虹を撮影

雨上がり、2階の窓から、あ、でっかい虹でてる!と気づいて外にでたら予想以上で、わーーーとパノラマで写真を撮るのに夢中になっていましたら、かなり蚊に食われましたね。


●8/11(金)NHK FM「今日は一日“ミュージカル”三昧」
三昧しました。夜に中川晃教が生出演するところは録音いたしました。で、なんかこういう番組でかれがふつう(っていうのかな? 仕事だけど)にしゃべるのを改めて聞いていて、このひと歌うようにしゃべるなあと思っていたら、ほんとに「このあとMCを歌でやろう」みたいなのをはじめて、そのときの井上芳雄の反応からこれがはじめてじゃないらしくて、つまりなんだ、このひとは歌ってないと死ぬのか、と思った。


●8/17(木)、8/31(木)ミュージカル「ビリー・エリオット」
まさかこれが日本人キャストで実現するとは思わなかった……! 関係者出演者各位、ありがとうございます!! ほぼゆいいつ気になったのは、マイケルに対する客席の反応で、かれがビリーに親愛を示すキスシーン、ここでなぜか2公演とも笑いがあがった。これは同じことを書いている人の感想も読んだので、たぶんほかの回でも「笑うところ」になっていたのだと思う。ちょっと意味がわからない。いや、わからないっていうか、「オカマ」「オネエ」に対する「お茶の間の反応」なのだろうとは理解しているつもりだけど。「ほほえましいな」以外の理由で笑ったひとは、いったいその笑いがどういう質のものなのか、考えてほしい。いったいどこに笑う要素があるのか。ただ、ああいう場では、まわりが笑ったからつられて笑った、ということも多いと思う。あのシーンで積極的に笑いにいったひとは、なぜ自分は笑っているのか、きちんと言語化できるんだろうか。嫌みとか啓蒙とかそういうわけでなく、ひたすら、わからん、と思う。
あと、あそこが別に「笑いをとる」場面でない、という共通認識を持っているひとのあいだでも、マイケルについては捉えかたがいろいろ幅広いだろうなと思っています。自分にとってマイケルは、きれいなかっこうするのが好きな男の子で、自分のことを男の子だと思っており、セクシュアリティはとくにまだ定まっておらず、ビリーは大好きな友だちだけど、かれの「ここではないどこか」に行ける才能には恋愛のように焦がれてる、です。


●8/21(月)ゲキ×シネ「SHIROH」鑑賞
体調に考慮して、観劇はすべてマチネで統一していますが、これは新宿バルト9で夜の上映でしたから、とにかく気合いをいれて行きました。2004年12月〜2005年1月公演。帝劇の千秋楽だったかな? このあとでDVDも購入したんですが、いまざっとパッケージ類に目を通しても録画日が見当たらぬ。とうぜんシローを演じた中川晃教ありきで観たのですが、これはたいへんおもしろかったです。めっちゃ疲れましたけど。そしてお蜜さん演じる秋山菜津子がすばらしいったらない。主要人物では益田四郎時貞の上川隆也は殺陣がかっこよく(スローモーションになる編集はいらなかった)、山田寿庵を演じる高橋由美子はクライマックスのときの表情の演技がすごい。そして板倉重昌はさいごのさいごで吉野圭吾だと気づきました。どおりでよう動いてたわ……! これ生の舞台みてたらほんとに疲れはてたと思う、ものすごい熱量でした。自宅のDVDで鑑賞すると、中川くん以外の歌唱の不安定さが目立つ気がしたので、映画館の環境で観られてよかったです。天草四郎つながりで赤石路代の『AMAKUSA1637』が読みたくなりましたが、まだ果たしていません。Flowers連載中、ちょくちょく目を通していましたけど……。おつうさんがめっちゃ悪役ムーブだったことしか分からない。


●8/28(月)NHK青春アドベンチャー「また、桜の国で」放送開始(全15回)
須賀しのぶ『また、桜の国で』(祥伝社、2016年)原作のラジオドラマ。井上芳雄、坂本真綾、中川晃教が声の出演。母の原作の感想はこちら。自分は放送が終わってから原作を読むことになったけど、脚本家ってすごいな!と思いながら聞いていました。たびたび「視覚と聴覚と、どちらを残したいかっていうと、やっぱり聴覚だよな」という問答っていうか問答になってないけど、とにかく確認のように「どちらか手放さなきゃいけないなら視覚」と思っているのだけれど、自分にとって娯楽をより享受できるのは、やはり目よりも耳だ。で、ミュージカル三昧のときに中川晃教は歌うように話すなぁと思っていたけれど、本ドラマでもやっぱり常にせりふが歌っているように聞こえる。というか、収録時に「歌いましょうか」「やめてください」みたいなやりとりがあったと、三昧のときに話がでていた。で、歌ってはいないけど、登場時、毎回せりふのまえに口笛を吹く。なにかを奏でないと死ぬのかもしれない。


●9月、体重がどんどんふえる
自分史上MAXな体積を更新しつづけていたのですが、たぶん9月から11月にかけてがピークであった。つーか、ピークであれ。意識的に、「痩せなくちゃ」とはあまり思わないようにしていた部分もあるのですけど、それにしたってこのころはずんどこと増えていってる。人は食べられなくなったらわりとすぐに死んでしまうので、まあいいじゃん、おいしく食べてるんだから、ぷくぷくでもさ、という時期。というかいまでも基本的にはその気持ち。


●9/23(土)メニーと2ショット写真を撮る
前職の友人を誘って「スイス・アーミー・マン」を観てきました。彼女からも「だいじょうぶ、まだまだそれほど太って見えない」とお言葉をいただく。しかし実際のところ、この日のわたしは最後に彼女に会った日から10kgくらい太っていたのが数字的な事実なので、ひょっとしたら「以前から自分が思うより太って見えていた」というのが真実かもしれない。というか、仕事の辞めかたが辞めかただったので、「食事を取れず痩せてしまうよりは、まるまると元気そうなほうがうれしい」と思ってくれてる気がする。ありがたし。


●10月は中川晃教コンサートに行った
10/1(日)、中川晃教コンサート2017 〜Seasons of love〜 東京公演、かれの単独コンサートはこれがはじめて。なんかいろいろすばらしかった。曲はミュージカル曲からオリジナル曲まで聞けて、とくに「モーツァルト!」の「僕こそミュージック」を生で聞けたのはほんとうにうれしい。


●10/3(火)「オーランドー」観劇
2回めの神奈川芸術劇場。ヴァージニア・ウルフの原作は未読、ティルダ・スウィントン主演の映画「オルランド」(1992年、日本公開1993年)は数年まえにDVDで鑑賞済。さあどういう劇になってるのかなーと思ったら、これが! すごく! 好きなやつ!! 脚本(戯曲)が収録されている「悲劇喜劇」2017年9月号が公演プログラムといっしょに売られていて、どうしようか、もし劇が気に入ったら買いましょう、ということにしたら、もうしょっぱなから「これは好き!」となったので、幕間で購入することに。特徴は、役者が役を演じるのと同時に「コーラス」という「語り手」をも担うこと、なんというのか、小説における「地の文」を役者たちがかわるがわる謳い上げているような、そういう作り。はぁーーすばらしくおもしろかった、機会があればまた観たいです。


●10/7(土) TOKYO MX 「宝石の国」放送開始(全12回)
市川春子『宝石の国』(講談社アフタヌーンKC、この時点で既刊7巻)のアニメ化。いやこれ、よかったですね。よかったです。原作では、画面でなにが起きているのか、表現がこちらの読み取り能力を超えてる場合がありますが、アニメになることで非常にわかりやすくなりました。あと目立つところでは、市川春子は「昼の青空」を「黒ベタ」で表現したりするわけですが、アニメではちゃんと青いので、作品全体の明度があがった! みたいな。母は原作には手をつけてませんでしたが、結局数話アニメ先行で見てから読むことになりましたので、共通の以下続刊が増えました。
非常に過不足なくアニメ化してくれていて、終盤までアニメオリジナルは第3話「メタモルフォス」のダイヤモンド疾走シーンくらい、そしてアンタークチサイトへの力の入れようがもうすごくてすごくて、その盛り上がりがあったぶん、第10話「しろ」でダイヤのあるせりふがなくて「あれ?」と思って、結果として最終第12話「新しい仕事」はちょっと不満が残ってしまった。ただこれは原作のままの展開を期待した故なので、1クールで収束させるのなら、これしかないというまとめ方。思いきり「つづく」で引くなら、原作通りに新展開に入ってもいいけど、フォスフォフィライトとシンシャではじめたのだから、そのふたりで終わらせるのはただしい。あと作画(CG)も作品にめっちゃハマっててすごいんだけど、なによりもフォスの声優、黒沢ともよさんが、むっちゃくちゃうまい。声優ってすごい。


●10/10(土)「サーミの血」鑑賞


●10/14(土)劇団四季「アンデルセン」鑑賞
さて、いつだったか記憶してないのですけど、7月の「オペラ座の怪人」のあと、2018年に四季が「ジーザス・クライスト・スーパースター」を全国公演するということを知りましてね。JCSは上演権というのでしょうか、そういうものを四季が持っているので、日本での公演は四季でしか観られないとかきいていたんですけど、なんとそれが来年観られるってことじゃないですか。だもんで、もうチケットぜったい取ろう!ってんで母が「四季の会」に入会しまして、来る2018年に備えていたわけですが、ほかにも惹かれるものがあればせっかくだから観ておこうねということで、本作。どちらかといえば、歌よりはバレエをメインにみせる作品のようです。でもそれだったらバレエ団のバレエをみたほうが、まあよいよね。という印象。可もなく不可もなく。歌は素朴でかわいらしかった気がする。海の生きものたちが出てくるシーンはちょっとディズニーシーのアリエルのショー(名まえ忘れた)を思いだしました。アリエル役が空中ブランコみたいなのやるやつ。フィギュアスケートのアイスショーでいえばエアリアルみたいなのやるやつ。もう10年以上まえに観たきりだからいまもやっているのか知らないけれど。会場は親子連れが多かった印象でした。



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